頑張って仕事をすることがそこに通じていたなんて、普通に嬉しい 4-1.

4-1.

最初のお客さんは、あの【省略】人の8倍強くて【省略】なる人だった。ご指名だって。【省略】手をパタパタしながらボーっと考える。この人は、物憂げな目が好きらしいから、丁度良いのかも。

 店長が言うには、「年に4回、7人の人間が選ばれて、それぞれ別のエスカレーターで、あの街に昇るらしい。7人は色んな基準で選別されるけど、私の勤めるこの「【省略】」業界、『luxuria』?からも1人選ばれる。組合の持ち回りで、候補者を選ぶらしくて、今回は私…「ナンバー1だからね。」とオカマ店長は言ってた。他の6人は、大会とかコンテストで選別されるから、私はラッキーなんだそうだ。

 人生の転機は、こんな風に何の前触れなく起こるのか。私達は誰しも、あの街に昇ることを夢見ている。切っても切り離せない感情だ。でも、具体的な方法が分からず、だからこそ漠然とした「憧れ」だったのだけど…頑張って仕事をすることがそこに通じていたなんて、普通に嬉しい。断る理由はない。今日の仕事が終ったら、オカマ店長に「上ります」と言おう…と思った時、はっと、ツグの顔が浮かんだ。


「あ、ああ、いい!その目がいい!【省略】すごい!」


 全然そんなつもりはなかったけど、8倍【省略】たくなる人は、一気にアガッてしまった。心ここにあらずだったから、なんだか悪い気分。

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