テンション上がって声が高くなってるじゃん 5.

 5.

「じゃあ、俺も『ira』で昇れるように頑張ってみるよ。」


 仕事が終って、店でのことを話したら、ツグはそう言った。すごく簡単に言うじゃない。あんたも『選別』の事は知ってたの?


「リーフレットとか教典に書いてあるじゃん。ジョーシキ。ジョーシキ…。」


 ん?


「…今までは自分に関係ないことだと思っていたし、ユラと分かれるのヤだったから、考えもしなかったけど…うん。いいぞ。今、一気に道が開けた!ユラ…俺達、一緒になろう!」


 テンション上がって声が高くなってるじゃん。


「盛り上がっているところ悪いけど、盛り上がっているからこそ言っておくけど、水かけとくけど…そもそも、じゃない?私達、お…。」

「ユラって本当にリーフレット読んでないんだね?大いなる意志の前では、そんなのササイな問題なんだよ?あの街に住むということは、この街じゃない、素晴らしいことが全てなんだから!」


 アチャー。完璧に戻ってる。まぁ、実は私は、こっちのノリの方が可愛くて好きなんだけど。


「それにねユラ!あの街に上ったら!私達、子どもも【省略】!」


 え!ホント!


「そう!貰うんじゃあなくて作れる!」

「ホントに!?」

「ホント!ホント!私達、本当に一緒になるんだから!」

新着ブログ

先頭はライブドアおすすめブログです。